2016年4月3日日曜日

NPO会員リレーインタビュー第三弾・木村茂夫(木村興楽園)

NPO会員リレーインタビュー第三弾は、木村興楽園の木村茂夫氏です。

作家になった経緯
備前焼作家の家に生まれた女性(いまの奥様)と結婚したこと
別の道も考えていたが、陶器に囲まれた環境(祖父が骨董屋を営んでいた)に育った経験により備前焼に一生を賭ける決意が芽生え、作家となった

備前焼作家としては特殊な経歴(県外出身、大学は理数系、広告会社の社員の経験)
作陶になにかプラスになったこと、作品にどう活かしていますか?
広告会社に勤務した経験は人の心に訴える作品を作る土台になった。
理数系出身として得た知識は、備前焼作陶のプロセスにおける化学反応や科学的原理を理解する上で役に立った。しかし作家としては理屈よりも感覚を大事にしている

作風


作家としてのポリシー、こだわりは?得意な作品は
花入れが得意でこだわりがある
作家さんの中では自分の技量を示しやすい壷や皿を作る人が多いが、自分は花入れが好き。
備前焼の花入れは備前焼本来の地味な色で花の鮮やかな色彩を引き立たせる。まさに備前焼に一番らしい作品だと思う

今までで一番の大作は?
今は病院に飾られている大きな花入れ。
その花入れで花を活けたらとても豪勢で美しい。


作家として一番報われる瞬間は?
窯出しの瞬間
窯出しは多くて年に2、3度しかないので、作陶歴数十年の熟練作家でも100回以上窯出しを経験した作家は少ない。そのため、どんな大作家でも確実に良い作品を作れるという保証はない。
その分やりがいがあり、成功したときの感動は大きい。特にトラブル続きの末完成して窯出しをした時の感動は格別なもの。自分ではない他の作家の窯出しを手伝った時でも感動は大きく思わず涙が出てくることもある。

新しいチャレンジは?
新造した窯で作品を作ること
作品は窯の大きさや種類によって大きな違いが出てくるので、新造した窯に合う作品を作っていきたい。

備前焼と備前の町全般についての質問


備前焼、備前の町のいいところ、逆に改善すべき点は?
いいところは、備前焼の町であることに協力してくれる住民の存在
改善すべき点は、作家業への専念も大切だが、時には全体でまとまって協力すべき時に協力してほしい。

お子さんや若い方などの後継者の方に望むことは?
伝統とは不変ではないし変わっていくもの新しいことにチャレンジを続けていつか自分のスタイルを見いだし、それを伝統へ昇華させて伝えていってほしい

備前焼、備前の町への思い
陶芸の町備前の町並みは誇れる景色。そして景色のように、普段そこに住む人には逆に見逃してしまう良さが沢山ある。備前に住む人にこそ一歩離れて備前を見てみてほしい

木村茂夫(きむらしげお)プロフィール
備前有数の窯元木村興楽園の陶工。
花入や食器等、生活に根ざした作品から二宮金次郎の備前焼像等大規模な作品も手掛ける。
備前焼作家の団体、備前陶心会の会長も務めた。
(「備前焼作家・窯元名鑑(山陽新聞、2015)」参照)

木村興楽園・木村茂夫氏の写真の訂正とお詫び

本記事「NPO会員リレーインタビュー第三弾・木村茂夫(木村興楽園)」において、誤った写真を掲載していました。
当記事中において木村茂夫氏として掲載していた写真は、十五代木村長十郎友敬氏の写真でした。
本記事中に掲載していた十五代木村長十郎友敬氏写真は削除し、木村茂夫氏の写真と差し替えさせていただきました。

十五代木村長十郎友敬氏、木村茂夫氏を初めとした木村興楽園の方々並びに当NPOのHP閲覧者の皆様、当NPOのブログの読者の皆様には深くお詫び申し上げます。
申し訳ありませんでした。

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