2016年5月25日水曜日

NPOメンバー運営企業団体紹介第一弾・柴岡陶泉堂

NPO備前焼タウンプロジェクトのメンバーは備前焼作家を中心としつつ、神社の宮司やお寺の住職、工作機械開発や醤油醸造の企業経営者など実に多彩な顔ぶれがそろっています。
そこで、当ブログでは随時NPOメンバーの運営する企業や団体(備前焼窯元や企業等)を紹介させて頂くこととしました。
NPOメンバーのリレーインタビュー同様に不定期の更新となってしまいますが、お付き合いいただけたらと思います。

第一弾・柴岡陶泉堂

第一弾はリレーインタビューと同じく、柴岡正志代表経営の柴岡陶泉堂です。

ルーツ

創業期(初代香山氏の時代)
備前焼窯元香山窯・柴岡陶泉堂は初代香山氏(現当主正志氏の祖父)によって大正元年創業、百年以上の伝統を持つ由緒正しい窯元です。
創業当初は現在の香山窯・柴岡陶泉堂にある地より別の場所で運営されていましたが、昭和六年に初代香山氏によって現在の地に移りました。
初代香山氏は当時交通手段の未発達の時代の中、山形等遠方の地にまで備前焼の販売や普及に力を注ぐ一方で、多くの陶工を育成しました。
終戦後は二代目香山氏(現当主正志氏の父)に窯元を譲り、備前農協組合長や備前町議会議員などを務め公益的な活動に取り組まれました。



飛躍の時代(二代目香山氏の時代)
二代目香山氏の代では、香山窯・柴岡陶泉堂は飛躍的な発展を遂げます。二代目香山氏の下、のぼり窯、陶房、自宅店舗、角窯を築き、今の香山窯・柴岡陶泉堂の礎が出来上がりました。
二代目香山氏は個人の作家としても数多くの業績を残されています。昭和三十六年には二代目香山氏の作品が昭和天皇の天覧を賜り、昭和五十八年には備前焼の伝統工芸士に認定され、その他にも入選の栄誉を賜る作品を数多く作られました。

伝統の継承と新しい挑戦(現当主三代目香山氏・正志氏と二人の息子力氏・久氏)

そして現当主三代目香山氏である柴岡正志氏は、父二代目香氏同様に数多くの入選を果たし、平成二十年には伝統工芸士の認定を受けられました。
正志氏の二人の息子である力氏・久氏も曾祖父からの家業を受け継ぐ形で備前焼作家の道に進み、伝統を受け継ぎつつ常識に囚われない斬新な作品(動物、ロボット、恐竜をモチーフにした作品等)を作り出しています。
備前焼窯元香山窯・柴岡陶泉堂は「素朴な作風・土と炎の自然美・実用性」をモットーに、創業時より実用性を備えつつ芸術性をも追及した作品を世に送り出し、現在では数多くの備前焼窯元の中でもとりわけ高い評価を得ています。

青備前()へのこだわり
備前焼窯元香山窯・柴岡陶泉堂は代々、青備前といわれる備前焼古来の伝統的製法で作られる作品を強みとしています。青備前とは、漆等の塗料を一切使用せず窯の中の酸化還元反応によって作られる鮮やかな青地の備前焼です。その歴史は大変古く、室町時代には既に青備前は作られていたそうです。ただし青備前とは実は非常に希少な作品で、意図的に作り出すのは技術的に難しいものと言われています。備前焼の窯では一度に数百もの作品を焼き上げますが、その中で青備前に慣れるのはごく一部でしかありません。
その青備前を香山窯・柴岡陶泉堂はこだわりを持って取り組んできました。特に二代目香山氏が青備前を得意として、昭和天皇の天覧を賜った作品も青備前の作品でした。
そして現当主正志氏も香山窯柴岡陶泉堂の伝統受け継ぎ、青備前に注力された作陶を続けられています。

※青備前とは
青備前とは、漆等の塗料を一切使用せず窯の中の酸化還元の還元反応によって作られる鮮やかな青地の備前焼です。
その歴史は大変古く、室町時代には既に青備前は作られていたそうです。
ただし昔は青備前とは実は非常に希少な作品で、意図的に作り出すのは技術的に難しいものと言われていました。現在では塩を使って意図的に作り出す技術が確立されています。ただし現在でも塩を使わない自然の青備前も創られています。
備前焼窯元香山窯・柴岡陶泉堂は青備前にこだわりを持って取り組んできました。特に二代目代表香山氏が青備前を得意としていて、昭和天皇・皇后両陛下の天覧を賜った作品も青備前の作品でした。
そして現代表正志氏も香山窯柴岡陶泉堂の伝統受け継ぎ、青備前を重視された作陶を続けています。


窯元の見所
まずは窯。窯の種類、燃料、大きさ等に注目してほしい。そして手作りの風景を見てほしい。(柴岡正志代表)


訪れる人へのメッセージ
親子三人、父(正志)と息子(力氏・久氏)の作品を見比べてほしい。
父(正志氏)の青備前など伝統的製法によって作られた作品と、伝統を受け継ぎつつも新しいもの(恐竜・ロボット等)にチャレンジをする息子(力氏・久氏)の作品を見比べて、その違いを味わって楽しんで頂きたい。(柴岡正志代表)

沿革
大正元年
初代香山氏(現当主三代目香山正志氏の祖父)が備前市伊部東にて創業
昭和六年
現在地に移転
終戦後
二代目香山氏(現当主三代目香山正志氏の父)が陶泉堂を引き継ぐ
昭和三十六年
二代目香山氏の青備前の作品が天皇・皇后両陛下の天覧を賜る
昭和四十六年
のぼり窯を築炉
昭和五十三年
陶房を新築
昭和五十六年
のぼり窯を築炉
昭和五十八年
二代目香山氏が備前焼伝統工芸士に認定
昭和五十九年
店舗を新築
平成十年
柴岡正志氏(現当主)、三代目香山を襲名
平成二十年
正志氏、備前焼伝統工芸士に認定

柴岡陶泉堂
〒705−0001 岡山県備前市伊部669
電話:0869−64−2162
FAX:0869−64−2165
営業時間(9:00〜18:00)
休み:1月1日
駐車場有(5台)
窯元見学可(※団体客のみ、要予約)

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